遅延案件の話題です。
maneoで発生している多くの遅延案件の一つが、決着しそうな感じになってきました。
私の考える処理について、紹介します。
<目次>
匿名性が問題になった川崎案件
今回の案件は、maneoの案件の中でも悪い意味で特に有名になった、川崎案件です。
担保は川崎市の土地建物...とはなっていますが、蓋を開けてみれば診療所跡地。
とてもではありませんが、10億円以上で売れるような案件ではなかった、というものです。
この当時の融資型クラウドファンディングは、貸付先や担保情報が【関係官庁の指導により】匿名化されており、その匿名化の副作用がモロに出てしまった案件です。
もっとも、そんなものに投資してしまったのは自分なので、今さら何を言うつもりもありません。
案件の推移、破産決定のその後
この案件は2018年に延滞が発生して以来、長い時間が経ちましたが、結局のところ競売は不売で終わりました。
買い手が付かなかったということは、当然ながら回収できる資金はないということです。
■2018年
11月:延滞発生報告、以降、事業者C社としても購入先を探索
■2019年
6月:競売期間入札、不売で終了
7月:特別売却実施、不売につき競売再評価手続きに移行
10月:競売期間入札、不売で終了
11月:特別売却実施、不売につき競売再評価手続きに移行
パルティール社への債権回収業務の委託
■2020年
2月:競売期間入札、不売で終了
特別売却実施、不売につき終了
不動産事業者CUに対する貸金返還請求訴訟を提起
3月:勝訴判決が確定
4月:不動産事業者CUに対する債権者破産申立て
7月:裁判所から不動産事業者CUに対して破産開始決定を発出
10月:第1回債権者集会
貸付先に対する破産決定も成されましたが、返済できる資産は無し。
破産管財人は今回で手続きを終わらせるつもりでしたが、対象不動産の処分への継続関与で回収額を増す可能性を説明し、破産管財人も同意。
任意売却が可能なら次回まで判断を持ち越す、ということになったようです(次回の債権者集会は12/14)。
所感と準備
判断は持ち越しになったものの、これまで任意売却できなかったものが、今さらどうにかなるとも思えません。
おそらくは全損で決着するのではないか? と推察しています。最悪の予想ではありますが、おそらく現実のものになるでしょう。
ということで本件、貸倒行きのお時間になりそうです。
クラウドファンディングは雑所得なので、年度をまたいだ損益の通算はできませんが、同じ年の内であれば損得は相殺できます。これを利用することで、所得税・住民税の節税が可能です。
そして会社が売掛金をエイジング(回収可能性が低い売掛金の減損処理)をするように、個人が同じことをやったとしても、そこには一理あると判断しています。
継続性の原則に基づいた処理方法を自ら考え、最大の節税ができるようにルールを設定していきます。
別に違法なことをしているわけではありませんので、税務署に言われたら、そのときは話し合いの上で修正するつもりです。