不動産特化型クラウドファンディングの「OwnersBook(オーナーズブック)」を運営する、マザーズ上場のロードスターキャピタル社の決算情報が出ました。
その内容を、特にクラウドファンディング事業の将来にフォーカスして紹介していきます。
<目次>
ロードスターキャピタル社の決算情報
ロードスターキャピタル社(以下、LSC社)の決算ページは下記の通りです。
資料のみならず、岩野社長が動画で自ら説明しているのは、説明責任という意味で適切だと思います。
(LSC社決算資料より引用、この後の図も同じ)
決算の概況としては、
「物件の新規取得と売却物件の利益向上により、税引前当期純利益+41%」
「売上高は減少しているが、年間計画上は影響は無い」
となっており、おおむね好調な決算と言えそうです。
オーナーズブックの株主優待
LSC社には株主優待として、オーナーズブックにおける貸付型案件やエクイティ案件の一部を、株主限定で優先定期に割り当てる制度があります。
先日、この株主優待が適用となる初の案件が募集されました。
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オーナーズブックの案件に優先投資できるのは魅力的ですが、株式1,000株以上(約110万円以上)保有、かつ1年以上の継続保有というのは少々ハードルが高く、私は様子見をしています。
クラウドファンディングの状況
LSC社が運営する、不動産特化の融資型クラウドファンディング「OwnersBook(オーナーズブック)」は、サービス開始からこれまでのところ貸倒ゼロで推移しています。
私の投資している案件で1件の延長がありますが、足下のコロナ禍を考えれば致し方ないと言える内容ですので、それほど問題視はしていません。
クラウドファンディング事業も、2020年はコロナの影響を受けていますが、大きな問題はなさそうです。
重要なのはLSC社の売上に占めるクラウドファンディングの割合で、オーナーズブックが大きく成長した現在でも3.4%に過ぎません。
本業で稼ぎのある会社が、数パーセントの売上高しかないクラウドファンディングで無茶をする理由はなく、そんなことをすれば本業にも影響が出てくるでしょう。
だからこそLSC社は間違いの無い案件を組成しようとするはずで、OwnersBookは安全性の高い投資になり得ると判断しています。
クラウドファンディングの今後
オーナーズブックの考えているクラウドファンディングの今後は、大きく分けて二つのステージに分けられます。
最初は「個人投資家を呼び込むステージ」。
REIT、有価証券、債権などの投資や現預金として存在する資金を、クラウドファンディングに呼び込むことです。
その後は「プロ投資家の参入を目指すステージ」。
私募REITの規模は20兆円以上あり、ここからクラウドファンディングへの流入が起きれば、1%でも2,000億円の効果となります。
規模拡大のためには、安全性の高いファンドで実績を積むと同時、さらなるファンド拡充が必要です。
ファンドの規模・数の拡充は投資家にとって選択肢が増える事を意味し、つまり投資しやすくなるということ。オーナーズブックの今後に期待です。