AIを搭載したロボットアドバイザー、「ROBO PRO(ロボプロ)」の話題です。
ROBO PROは2021年12月の時点で米国株を全て売却し、2022年1月の米国株下落をみごとに回避しました。
なぜそんな真似ができたのか、ポイントを紹介します。
<目次>
ロボプロの特徴(*ご存じの方は飛ばしてください)
*このチャプターは、ROBO PRO(ロボプロ)の初心者向け説明です。すでにご存じの方は飛ばして下さい
ROBO PRO(ロボプロ)は、FOLIO社が運営するロボットアドバイザーで、入金することにより自動的に分散投資まで行うサービスです。
他のロボットアドバイザーとROBO PROの大きな違いは、ROBO PROが「AIを搭載し、ポートフォリオを動的に変化させる」という点にあります。
通常のロボットアドバイザーが行っているのは、上記の水色の部分のみ。
ROBO PROは膨大なマーケットデータを読み込み、機械学習とリターン予測を行って、定期的(通常は1ヶ月ごと)にポートフォリオを動的に変化させるロボットアドバイザーです。
ポートフォリオの変化とVTI価格
以下が、ROBO PRO(ロボプロ)の最近のポートフォリオ変化です。
2021年12月の時点で、米国株が0%になっているのが大きな特徴です。
そしてご存じの通り、2022年の1月に米国株は大きく値を下げました。ROBO PROのAIは結果として、この米国株の暴落を予想できたことになります。
(VTIの価格 ブルームバーグより引用)
なぜ米国株の下落を予想し、手放すことができたのか、その理由についての情報が手に入りましたので紹介します。
似通った二つのチャート
ROBO PRO(ロボプロ)のAIが判断の根拠にしたのは、VTI(米国株)とVWO(新興国株)のパフォーマンス変動です。
下のグラフは、2021年4~11月のVTI/VWOの変動。
11月にかけて最大20%程度の乖離が存在しています。
20%というのは目安でしかありませんが、
「VTIとVWOの間に一定の乖離があると、その乖離は近いうちに修正される」
という傾向があり、ROBO PROのAIはその乖離から米国株の下落を予想したとのことです。
以下は2018年4月~2019年3月のチャート。VTIとVWOで20%程度の乖離が発生すると、その数ヶ月後にVTIの調整が発生していることが分かります。
2021年の11月にもこのような乖離が発生したため、ROBO PROは米国株下落の発生可能性を検知し、米国株を全て売却して新興国株へ切り替えたというのが、今回の結論になります。
バックデータの紹介
上記は、先の2018年4月~2019年3月におけるROBO PROとS&P500、オールカントリーのパフォーマンス比較(バックデータ)です。
相場における調整(下落)が発生した場合、ROBO PROのAIはそれを察知して守りの体制に入り、相場反転後にパフォーマンスを獲得する能力に優れていると言えます。
同じ事を人間がやることも可能ですが、人間ではそれまで好調だった米国株を全て売り払うというのは、感情の面から難しいもの。
また膨大なマーケットデータを見るのも人間には難しく、こういうところこそ感情も疲労もないAIの出番。私はロボプロに資産の一部を入れているのは、そういう理由もあります。
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