ソーシャルレンディング投資記録(新)

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シリコンバレー銀行の破綻と所感



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アメリカで総資産20兆円を超えるシリコンバレー銀行が破綻するというニュースがありました。

時事ネタということで、このニュースについて「クラウドファンディング投資家としての」所感を書いてみます。


<目次>

 
 

SVB破綻


 ソーシャルレンディング投資記録


シリコンバレー銀行(以下SVB)は、ベンチャーキャピタル(以下VC)やVCが支援するスタートアップ企業からの預金が多かった銀行で、総資産は2000億ドル超、預金は1700億ドル超。


SVBは日本時間3/11の未明にカリフォルニア州当局によって閉鎖を命じられ、事実上破綻しました。


破綻の背景は、コロナ騒ぎで流れ込んだ大量のマネーをなんとか運用するために買い込んだ有価証券が、米国利上げの影響を受けて値を下げ経営を圧迫したこと。

現状の経営は急を要するものではなかったようですが、信用不安が起こり預金引き出しが連発した結果、一気に破綻まで追い込まれたという状況のようです。



アメリカでは預金に対する政府保証がありますが、その上限額は25万ドル。SVBに預金していたうち95%はこの上限額を超えているとの情報もあり、もしも預金が塩漬けになった場合には大きな影響につながりかねません。

そのためSVBの救済を求める声も大きいようですが、VCとかスタートアップのような中央政府の干渉を嫌う属性の人たちが中央政府に救済を求める構図というのは、なかなかどうして香ばしいものがあります。
 
 

今後の予想


SVB破綻を受け、他の金融機関にも同様の問題(利上げによる有価証券の評価額減→経営リスク顕在化→取り付け騒ぎ)が飛び火するという懸念が起こり、米国市場では銀行株に売りが集中したとのこと。

(ただし状況を見ると、売られている銀行株はベンチャー企業取引がメインの銀行であり、大手のバンカメやJPモルガンなどはそこまで影響を受けていない様子でした)


この影響がどこまで広がるかは、月曜日の動きに大きく作用される・・・というくらいは分かりますが、それ以上の予想はさっぱり分かりません(金融システムの問題ではないので、リーマンのようにはならないと個人的には考えていますが)


SVBの預金は短期で引き出すことができるのか。

もしも中長期的に預金が氷漬けにされるようなことがあれば、その際に政府は動くのか。

この機を狙ってヘッジファンドなどが、SVBの預金残高を割安で買い入れようとする動きもあるようで、そういったものの影響がどうなるのか。


影響を左右するファクターはある程度読めますが、そこから状況を予測する知識や経験は私にはありません。あったらもっと資産持ってます。
 
 

クラウドファンディングへの影響


今回のSVB破綻、及びそこから波及すると思われる事象がクラウドファンディング投資にもたらす影響について。

まず結論を言えば、直接的な影響が出てくる可能性は低いと推測します。



直接的な影響が出る場合を想定すると、クラウドファンディングの海外案件において資金を預けている米国銀行がSVB破綻に巻き込まれるというケースですが、これは可能性がかなり低いでしょう。


また今回の震源地はVC及びスタートアップであることから、クラウドファンディングの投資対象が大きな影響を受けるというのも考えにくいです。

理由はまず、クラウドファンディング投資で米国のVCやスタートアップを直接対象にしている案件は少なく、また企業のローン債権を対象としているファンドでも企業は分散されているからです。



ということで直接的な影響が起きる可能性は低いですが、間接的な影響は十分あり得ます。どんな影響が出るのかは、もう少し全体の事情が分からないと何も言えませんし、案件の大幅な損失に繋がる可能性は低いと思いますが。


一つ例を挙げれば、今回の破綻を受けてFRBの利上げペースがどうなるか。利上げペースの変更はドル円レートに影響し、ドル建て案件の利益に直結します。

破綻の原因となったのが利上げによる有価証券の値下がりなだけに、これ以上利上げを行うと次は別の銀行でSVBのような破綻が起きないとも限りません。個人的には今後の利上げ判断に注目しています。
 
 

ちょこっと黒ウサギ


クラウドファンディング投資家としての所感は以上ですが、最後にちょっと黒ウサギモードを。


今回のSVB破綻のようなことがあると、遡ってその銘柄を推奨していた媒体に否定的な意見が見受けられます。

そのような意見は一見真っ当なように見えますが、私はそれに与しません。なぜなら実際にはただの無責任な後出しに過ぎないからです。



まず根本的な問題として、TV、経済紙、専門家、インフルエンサー(笑)の例を問わず、推奨銘柄やアドバイスは参考意見の一つとして受け取るべきであり、どのような投資行動を取ったとしても自分だけが結果を負うべきものです。

損失を自分の責任として受け止め結果を自分で引き受けるからこそ、利益も自分のものになります。利益は自分のおかげ、損失は他人のせいなどというダブルスタンダードは認められません。



そしてこれらのメディアが推奨銘柄やアドバイスをするのは、メディアとして自然なことです。

メディアのそのような活動は法に抵触しない限りにおいて経済活動の一環であり、経済活動から利益を汲み出すのが投資家である以上、明らかに間違っている点を指摘するのであればともかく、推奨やアドバイスをする記事自体を批難することは無理筋なことは明らかです。


加えて言えば、各メディアが自分の投資に責任を持ってくれないのは最初から分かりきっていることなので、こういったケースにおいてメディアに「無責任だ」と言うのもまたおかしな話なわけです。


(関連記事)
www.sallowsl.com


もし今回のケースで過去推奨していたメディアを批難できる人がいるとすれば、それは事前に(少なくとも推奨した直後には)SVBのこのような急激な破綻を予見していた人だけ。


否定するのは楽なものです。特に後出しの否定は、ノーリスクでできますから。
 
 

まとめ:私の投資観


最後にまとめとして僭越ながら、私の投資観を紹介。


投資とはお金を介して社会や経済に繋がる行為であり、自分の資産を適切なリスクに晒して利益を得る行為。

そして得た利益を自分の物にするためには、一切の損害について他責にしないことが前提であると考えています。


ポエム風の表現をすれば、投資とは綺麗なものも醜いものも、損も得もごちゃ混ぜに入っている、大人のためのおもちゃ箱。中に入っている金貨も宝石もホンモノである代わりに、中から飛び出してくる罠やオバケもホンモノです。



その中身を漁ろうと決めた以上、ナイフで手を傷つけるのも、オバケに襲われるのも自分の責任ですし自分だけの結果。

それに、オバケに襲われたところでいくばくかのお金が減るだけで、命まで取られるわけではありません。

パニックは投資の大敵。気楽に適切にやっていきましょう。
 
 



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