クラウドファンディングの遅延案件について、現在の状況を確認してみます。
今回の対象はオーナーズブック、クラウドバンク、バンカーズ(50音順)です。
<目次>
オーナーズブック「大阪市中央区ホテル素地第1号第1回」
オーナーズブックの「大阪市中央区ホテル素地第1号第1回」はかなり長い間遅延していましたが、近日中にはなんとか落着する期待が持てる展開となっています。私の投資額は50万円です。
以下、公式サイトに掲載されている情報の抜粋です。
ロードスターファンディング株式会社は、不動産保有会社AY(「本借入人」)と共に延長要請への対応を協議し、預託金を受け取ることを条件に延長要請に応じることとしました。
これに伴い本借入人と買主との間で残金決済期日を2024年2月9日とする「残代金決済期日延期の合意書」が締結され、売買契約に定める違約金の一部を担保するものとして買主から預託金を受領しております。
返済ができなくなった貸付金の担保として不動産の売却を検討、買主が見つかりこれまでは2024年1月中に問題が解決する予定でしたが、いったん延長となって改めて2024年2月9日が決済日と指定されました。
また不動産の買主からは預託金(≒手付金)を受け取っていることから、2月中にはなんとか問題が解決するものと期待されます。
買主と合意した売買金額は投資残高の7億710万円は下回るものの、オーナーズブックでの評価額6億3,400万円を上回るものとなったことから、最終的な回収率は90%強になりそうです。
投資額に対して1割弱は損失が発生する見込みですが、新型コロナの影響による地価低下などを考えると、このまま取引が成立して返済が為されたならオーナーズブックはやるべきことをやったと判断・評価します。
クラウドバンク バイオマス発電ファンド
クラウドバンクでは一つの貸付先に対するファンドで、遅延が発生しています。
遅延はいずれ起こるのでしかたないことですが、今回の遅延では連帯保証先が「元部長が勝手にやったから会社は保証しない」と言い出す状況になっています。様々な情報を見てみると、どうやらその元部長が会社に黙って詐欺と思われる行為を働いた模様。
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2024年1月段階では、クラウドバンクが連帯保証先の会社(伊藤忠丸紅住商テクノスチール)から答弁書を受領したこと、そこにはクラウドバンクの主張に対して争う趣旨の記述があったそうです。
さらに2月のアップデートとして、直接の債務者及び元部長からの答弁書にはクラウドバンクからの請求を認める記述があった一方、連帯保証人には連帯保証する意思はなかった&元部長がクラウドバンクを騙す意図があったことを認めているとのこと。
元部長としては伊藤忠丸紅住商テクノスチール側に立たないと、同社から告訴その他でガン詰めを食らう可能性が高いのでこのような答弁書を作ったのでしょう。私が同じ立場なら、保身のため同じ行動を取ると思います(というか、それ以外の選択肢がありません)。
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騙した方が悪いのは当然ですが、クラウドバンクも(結果的に)脇が甘かったのは確かなこと。クラウドバンクには管理体制の強化を継続していくことを求めるのと同時に、裁判の結果がうまく落着することを期待します。
バンカーズ「アミューズメント事業支援ファンド」
バンカーズの「アミューズメント事業支援ファンド」では、貸付先であるガイア社が民事再生法の適用を受けることになりました。私の投資額は50万円です。
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この事案は2023年10月末に発生しましたが、2024年1月末に重要なアップデートがありました。
内容は限定情報になりますので詳しくは書けませんが、問題ない範囲で書くのなら「一応なんらかの目処は付いた」「ただし本体の民事再生が終わるまでは未確定」ということになります。
ガイア社の再生計画が確定するのは最短で2024年5月(下記参照)ですが、債権者集会が何も揉めずにスムーズに進行する保証はなく、交渉の状況によっては再生計画の確定までもう少し時間がかかる可能性は十分にあると考えます。
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