最近市民権を得ようとしている、FIREという言葉。
「Financial Independence, Retire Early:経済的独立と早期退職」の頭文字を取ったもので、経済的に独立(≒生活維持に労働を必要としない)し、かつ定年よりも早く退職することを指します。
一方で私が提唱し、目指しているのは「ゆるリタイア」という選択肢。
FIREとゆるリタイアは、なにが違ってなにが同じなのか紹介したいと思います。
<目次>
- 資産構築の王道は、やっぱりこれですよね
- 「節約を無理に感じない」という才能
- FIREは最先端の動き?
- 貯めたお金を、私が使えなくとも構わない
- ゆるリタイアとFIREの類似点、相違点
- まとめ:FIREとゆるリタイア
資産構築の王道は、やっぱりこれですよね
今回、このブログを書くにあたっての元となった記事はこちらです。
話を真に受けるとしてですが、30代半ばでセミリタイア可能な資産を構築とは素晴らしい手腕です。
それを成し遂げた方法は非常に単純で、「高い収入を確保しつつ支出を最低限に抑え、余剰資金を投資でぶん回す」というオーソドックスなものでした。
これは私も実践していますし、資産構築の王道の方法だと思います。
「節約を無理に感じない」という才能
この方の節約生活は記事の中で「すさまじい」と評されています。
ただ、私としては「そこまでか?」と思います。以下、この方と私の生活との比較です。
①ヘアカットは1000円 → 同じく(1000円は少し超えますが)
②携帯は格安SIM(4000~5000円) → 同じく、というかもっと安い
③食費はふるさと納税で削減 → 同じく
④女性とのデートはお弁当での公園デート → 家人がいるのでそこまでは無理
⑤支払いはほぼすべてクレジットカードや〇〇ペイによるポイント獲得 → 同じく
⑥本を読む場合も基本的に図書館 → 同じく
⑦会社の飲み会も支出を伴うなら参加しない → 年1度くらいしか参加しない
もっとも私の場合、温泉やお酒にも出費があります。
もしこの方がそういった娯楽にもお金を使わないのであれば、この方の節約生活はやはり高レベルにあると思います。
節約というのは慣れてくればそれが当たり前になるのですが、この方の場合はFIRE(経済的独立と早期退職)を成し遂げたい一念から高い収入と節約、そして資産運用を行われています。
そうまでして達成したいFIREという動きが広まっているのは、現在の世の中ではある意味当然なことだと思います。
以下、その背景の紹介です。
FIREは最先端の動き?
なぜFIREが広まっているのか。
大きな理由の一つは、日本における終身雇用と年功序列の崩壊だと思います。
敷かれているレールが強固なら、人はなんとなくそれに従いもするでしょう。しかし、そのレールがおぼつかなくなり、ところどころでほころびも見えるようになると、自然と人は色々考えることになります。
そこで、「あれ、定年まで働く必要ってあるの?」と気付いた人が出てきたのでしょう。
そして現代において発達したSNSなどのツールで、気付いた人の情報が発信されるようになったことで、そういった考えに影響を受ける人は増えてきました。
また、ネットワークの発展により娯楽を手に入れるためのコストが下がったことも一因です。
わざわざモノを所有するまでもなく、娯楽ならPCやスマホの向こうにいくらでも(それも、多くは無料で)転がっています。
人間関係にしても、SNSがここまで広まれば緩いつながりに事欠くことはありません。
日本の給料は上がらない、税負担が上がるばかりだという恨み言を良く聞きますし、実際に私もその通りだとは思います。
しかし、娯楽と人間関係を維持するコストに関しては明らかに低下しています。
それに気付き、それを利用しようとする人の選択肢がFIREなのだと私は思います。
ある意味で、現代の世の中に最も適合した動きと言えるのではないでしょうか。
貯めたお金を、私が使えなくとも構わない
こういった生き方については、最近徐々に市民権を得てきたとは言え、まだ異論も多いもの。
FIREを選ぶも選ばないも個人の自由であり、FIREすることが優れているわけでもないし、ましてや偉いことでもないのは当然です。
ただ、視座の違いから来る意見というのはもちろんあります。
FIREを否定する意見としては「節約ばかりでつまらない」「若いうちにお金を使わないでどうする」「お金を貯めて死んだら意味がない」あたりでしょうか。
基本的には「人それぞれ」の一言で終わってしまうことなのですが、一つだけ自分の感想を述べておきたいと思います。
「お金を貯めても墓場には持って行けないよ」とは良く言われますが、私はそれでも構いません。
向こう岸まで行くには六文あれば十分。
私にとってのお金は安心料であり、「不幸にならないための備蓄」です。
もし資産を残して私が消えたら、その時は私の身内の誰かが資産を使って幸せになるなり、不幸を回避するなりしてくれればそれでいいと考えています。
資産が争いの種になるかもしれませんが、それは生者が解決すべき問題であり、すでに死んでいる私には関係のないこと。
お金は墓場には持っていけませんが、その分は私の身内が使うことができます。
それも十分、生きたお金の使い途というものではないでしょうか。
ゆるリタイアとFIREの類似点、相違点
私が提唱・実践している「ゆるリタイア」の話題です。
ゆるリタイアはFIREと比べ、より日本の状況に即した考えだと思います。
FIREもゆるリタイアも収入を上げ支出を抑え、投資で運用して資産を構築するところまでは一緒。
ゆるリタイアがFIREと異なるところは、資産を構築するのと同時に、会社における「居心地の良い立場・業務」も同時に作っていくというところです。
ある組織の中で、ナンバーワンやオンリーワンになることはとても難しいことです。
ですから、ゆるリタイアはナンバーワンやオンリーワンを目指しません。
ゆるリタイアで目指すのは、「アイツが辞めると代わりを探すのが面倒だ」という立場です。
会社の中でこのポジションを確保することで、仕事の上での裁量を増やすことを目的とします。
裁量が増えれば、会社からの拘束を一部回避しつつ、報酬を得られるという有利な立場になるわけです。
まとめ:FIREとゆるリタイア
まとめです。
仕事や会社が嫌いなら、FIREを選ぶのが良いでしょう。
そこまで嫌いというわけでないのなら、ゆるリタイアを選ぶのはどうでしょうか。
ゆるリタイアとは、
・経済的自立を確保しつつ
・会社の中でも裁量ある立場で居心地良く仕事をし
・その場所を無くなりそうになれば、辞意をほのめかして交渉する
・ダメならあっさり辞める
という手法であり、会社と対等になることを最終の目的とします。
使用者と労働者という上下関係ではなく、会社と対等になって好きに働く。
会社組織のあり方が変わっていく中、労働者の側も意識を変える必要があります。その一例として、こんな働き方を模索してみるのはいかがでしょうか。