貸付投資の「Funds」の話題です。
これまでのFundsが目指してきたものから、かなり変わることが予想される、重要なお知らせが発表されました。
内容を紹介します。
<目次>
重大なお知らせは二つ、目的は一つ。
今回Fundsから発表されたお知らせをかみ砕くと、重大な内容は二つあります。
その根っことなっているところの目的は一つで、上記の画像の通り「ファンド取り扱い範囲の拡大」です。
これまでFundsでは、その人気に対してファンドの供給能力が追いつかず、なかなか投資できない状況が続いていました。
その状況をなんとか打破すべく、Fundsで10億円/月程度のファンド組成が予告され、また今後どのような変化が起こるのかインタビューも行いました。
すでにFundsで投資されている方、今後投資を検討している方には必見の内容となっています。
詳細については、下記の記事をごらん下さい。
案件組成を拡大
今回のお知らせによる、重要な変化は二つあります。
一つは、「今後のFundsでは、非上場企業の案件も扱うようになる」というものです。
ただ実は、今まででも上場していないベンチャー企業への貸付投資は行われていました。
なので、正確には「非上場企業の案件も、上場企業と同様にファンド組成検討の俎上に乗せることになる」が正しいのではないかと思います。
もちろん、どんな非上場企業でも良いわけではなく、検討の前提となるのは「上場企業 or 監査法人の監査等を経た企業」であることには変化なく、「Funds審査部による審査をクリアすること」も変わりません。
なのでこちらの変更は単に、「ファンド組成の入口部分で、選択肢が広くなる」という以上の影響は無いように思います。
Fundsの「貸付投資」の特徴
もう一つの重要な変化は、「ファンズ・レンディング社」の設立。
これまでFundsの貸付投資では、借り手とグループ関係にある企業をファンド組成企業とすることにより、「借り手企業に返済義務を負わせつつ、投資家の損失補填禁止を回避する」ことを両立させてきました。
投資家とファンド組成企業の間は匿名組合契約であり、この二者間においては損失補填は禁止です。
しかし組成企業と借り手企業の間は金銭消費賃借契約、かつリコースローンであるため、借り手企業の全財産が返済原資となり、返済義務が発生します。
そして組成企業と借り手企業はグループですので、組成企業に万が一が起こった場合は借り手企業による救済も可能です。
以上の仕組みを組み合わせることにより、投資家が貸金業登録をすることなく、実質的に借り手企業に貸し付ける仕組みを実現していました。
これが、ファンズ・レンディング社の登場で少し変わることになりそうです。
ファンズ・レンディング案件に注目
なぜ、ファンズ・レンディングの登場で貸付投資のスキームが変わるか。
ファンズ・レンディングが組成企業になっても、組成企業と借り手企業の間の金銭消費賃借契約は変わらず、借り手企業のリコースローンになることは同じ。この点については変化ありません。
変化があるのは、組成企業のピンチに借り手企業が手を差し伸べるか? という点です。
今までは、組成企業と借り手企業がグループ会社だったので手を差し伸べることはありますが、ファンズ・レンディング社に対して同じようにする保証はありません。
したがって案件への投資を考える場合、リスク評価に関して、ファンズ・レンディング社(≒Funds本体)の事業者リスクを積み増す必要が生じる、と思われます。
一方でなぜファンズ・レンディングを設立したかと言うと、おそらくファンド組成企業を作る手間を省くためと思われます。
法人の設立には少なくない手間がかかりますし、上場企業ならさておき非上場企業の中には「そこまでやるならFundsから資金調達しなくていいや」と、入口で諦めてしまう企業が出てくる可能性もあります。
そこで門戸を閉じてしまうことのないよう、ファンド組成企業をFundsが自前で準備したのではないでしょうか。
期待するのは、質の維持と量の増加
現時点でFunds社は赤字状態ですが、ベンチャーキャピタルや金融系、伊藤忠や電通など複数社からの資本提携を受けており、財務状態は安定していると推測します。
ファンズ・レンディング社が、単にファンドを組成するだけであり、貸付事業に関してそれ以上のリスクを負わない場合であれば、おそらく事業者リスクはそれほど増えないのではないか? というのが今の予想です。
ただこれは仮定の上での予想になりますので、実際の案件を見てみないと何とも言えません。
案件に不安を感じたら、投資しないという自由があるわけなので、投資家にとって投資案件が増え、選択肢が増えるということは悪いことではありません。
今後、優良な案件が頻繁に募集されるのを、楽しみに待ちたいと思います。
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