貸付投資「Funds」の話題です。
以前にファンド組成対象の拡充を発表したばかりのFunds、早速拡充された案件が登場したのですが、保全にびっくり。
内容を紹介します。
<目次>
貸付先は「えんホールディングス」
今回の貸付先は、創業30周年を迎える福岡の不動産ディベロッパー、「えんホールディングス(えんHD)」です。
自社ブランドマンション「エンクレスト」シリーズは、福岡県の投資型物件販売ランキングで17年連続No.1(フクニチ住宅新聞調べ)、年間の供給戸数は500戸ほどという人気の案件です。
さらに今年8月には、福岡市博多区住吉にてホテルビジネスを開始しています。
今回の投資対象は、えんHDの不動産事業の運転資金です。
TRADファンド#1の詳細
募集案件は次の通りです。なお、抽選はすでに終了しています。
・TRADファンド#1
先着募集:11/20 19:00~
予定利率:2.2%
運用期間:約11ヶ月
募集総額:5,000万円
11/20から先着募集が始まりますが、抽選の倍率(私が見た時で5倍以上)から考え、一瞬で蒸発すると思われます。
本案件はFundsが打ち出した「ファンド組成対象拡充」の対象と思われる案件で、これまでFundsは原則として上場(もしくは上場同等)企業案件だったのとは異なり、えんHDは非上場の会社です。
にも関わらず、本案件の安全性は上場企業に対する貸付と同等に「固い」と判断しています。
その理由を説明します。
驚きの保証。え、現金?
固い案件だと判断している理由は、保全の仕組みにあります。
案件の説明では「担保有り・保証無し」なのですが、その担保が通常では考えられないほどガチガチです。
というのも、投資家の出資金総額と同額(=1億円)を、えんHDがオリックス銀行に金銭信託しているからです。
おそらく金銭信託は一般口(元本に損失が生じた場合は、信託銀行が損失を補填する)でしょう。
この仕組みでは、えんHDのビジネスがうまくいかなくても、極論を言えばえんHDが吹き飛んだとしても、投資家の元本は守られます。
そのため、非上場会社であっても上場会社と同等の安全性がある、と判断しています。
投資家優待と、募集の背景
さらに本案件には、投資家優待もあります。
すでに抽選は終わりましたが、抽選・先着方式のどちらでも5万円以上投資すれば、博多のホテル「ホテルトラッド博多」の5,000円優待券(2021年末まで利用可能)がプレゼントされます。
おそらくえんHDの規模と実績であれば、銀行からさらに低利で資金を引っ張ることは可能でしょう。
それでもFundsを選んだ理由の一つには、資金融通チャネルを複数持つという理由もあると思います。
しかし固い保全、投資家優待を考えると、えんHDのサービスの認知向上、及び投資を通じて投資家にファンになってもらおうという、「フィンコミュニティ」の目的が強いのではないかと考えます。
フィンコミュニティを成立させるためには、案件が無事償還されることが必須です。もし万が一が起きたら、投資家はファンどころか積極的なアンチになってしまうからです。
そのリスクを企業が承知していないはずはなく、だから本案件は安全性が高いと判断しています。