maneoの遅延案件の一つで、進捗がありました。
公開されている情報から分かったことを紹介します。
担保となっていた物件の位置は、まず確実にここだと言う場所が分かりました。評価額についての所感も書いています。
<目次>
京都市案件の進捗
今回進捗があったのは、maneoの京都案件です。
複数のファンドが募集されていますが、例えば以下のファンドです。
このファンドに対して、以下の報告がありました。
任意売却は行われているものの今のところ進捗無し、競売の開札が行われ、許可決定の審議が行われているというものです。
3.前回報告時からの回収活動について
対象不動産の競売の入札が令和3年1月に行われ、同月21日の開札の結果、最高価買受申出人の入札価格は8,320万円でした。
これに対し執行裁判所は2月10日の売却決定期日まで許可決定について審議することとなります。
今後の進行等につきましては、判明した事項から順次報告いたします。
総額2億2,000万円のファンドでしたので、回収率は約38%となります。
本件、私の投資額は残り50万円あまり。投資損は30万円ほどで、ここから確定申告による所得税還付が行われます。
競売情報を検索しました
本案件で、担保不動産は「担保物件の近隣は、日本有数の観光名所である」と説明されています。
と言われても、京都市内に日本有数の観光名所など数多くあり、これだけの情報では特定できません。
ただ、競売にかけられたということであれば、BIT(不動産競売物件情報サイト)で確認することができます。
対象期間がおおまか分かっているので、あとは落札価額をキーにして探すだけ。
それほど時間もかからず見つかりました。
(一応、事件番号や詳細な住所は伏せておきます)
場所は「京都市伏見区深草稲荷中之町」。
全国3万社を超える稲荷神社の総本宮、伏見稲荷神社至近の土地であり、確かに「日本有数の観光名所」であることに間違いはありません。
担保物件の特定
実際のBIT(不動産競売物件情報サイト)や他の検索結果を付き合わせることで、担保物件はほぼ特定できました。
対象物件は旗棹地とは言えど、伏見稲荷神社至近のメイン参道に面しており、確かに流動性はあったのでしょう。
土地代の評価額(近隣土地の取引実績×本土地の面積)は8,000万円程度で、2億2,000万円の評価額は過大と思うかもしれませんが、なかなか売り物として出てくる場所ではないため、希少性やインバウンド期待も込みでこの評価額にしたとしても不思議ではありません。
*結果として甘い評価を採用してしまった、と言われればそれまでですが。
そして一方、実際に行った事もある身としての体感ですが、一連の新型コロナ騒ぎ+再度の緊急事態宣言により、伏見稲荷近辺の人出は8~9割ダウンしているのが現状です。
結論として、タイミングが悪すぎです。
maneoがやらかしていなければリファイナンスなり方法はあったでしょうし、その点は言い訳のしようもないのですが、担保処分時に新型コロナの影響がここまで広がるというのは、誰も予想できなかったでしょう。
まとめ、そして注意点
今回のファンドに限らず、全てのファンドでは下記の条項が付いており、借り手に対する返済の督促は行えません。
「借り手からの返済が滞った場合であっても、お客様自身が、借り手に対して返済の督促を行うことはできません。万一このような行為が行われた場合には、刑法上の強要罪等に該当する可能性があります。」
maneoがやらかしたことへの批難、個人の感情は当然あるでしょうが、日本が法治国家である以上、法や契約に触れる手段を取ることは認められていません。被害者のはずが加害者にならぬよう、その点はくれぐれもご注意ください。