不動産投資型のクラウドファンディングの話題です。
おそらく開店セールだと思うのですが、初回案件に高利率案件を持ってきて話題性を作り、ユーザ登録数を伸ばそうという動きは営業者として自然なことです。
が、ついにここまで来るとは。
<目次>
CROWD BUILDS 初回案件
「株式会社フィンスター」の運営する不動産投資型クラウドファンディング、「CROWD BUILDS(クラウドビルズ)」第1号案件で、これまでの高利率とは一線を画する超・高利率案件が登場しました。
・CROWD BUILDS キャピタル型 第1号ファンド
予定金利:20%(年利)
運用期間:6ヶ月
募集金額:1,960万円
保全など:劣後比率30%
JR山手線「鶯谷」駅から徒歩6分、東京メトロ日比谷線「入谷」駅から徒歩2分の場所にある、投資用のワンルームマンションです。
物件の詳細
物件の名称は、「ルックハイツうぐいす谷」。
鉄筋コンクリート造り、築39年、地上7階24戸のマンションです。
(HOME'Sによる物件情報)
www.homes.co.jp
物件紹介によると「投資用ワンルームマンション」となっていますが、床面積「65.72m2」は上記HOME'Sのデータによる部屋情報とは一致せず、上記に掲載されていない部屋か、あるいは複数の部屋をまとめているのかは定かではありません。この点はもう少し、部屋情報の開示が必要だと思います。
不動産の築年数はかなり古いマンションですが、営業者の劣後出資30%も効いていますし、ぱっと見た目では特に問題のある案件とは思えません。
となると疑問なのは、なぜこの物件で20%なんだ、ということです。
これは不動産投資とは異なる、不動産投資型クラウドファンディングの特徴にも関係しますので、次で説明します。
年利20%の理由
不動産を直接所有することを考えた場合、年利20%という好条件は無いとは言いませんが、話がうますぎると疑うべきでしょう。
不動産投資型クラウドファンディングにおいても、収益がインカムゲインであれば同様の事が言えるでしょうが、本物件の収益構造はキャピタルゲイン(値上がり益)、かつ現状で部屋は未入居(つまり、家賃収入無し)です。
では年利20%はどこから来るのか、好意的に解釈をすればこの案件は「不動産投資型クラウドファンディングでユーザを集めるため、ひいては不動産業の顧客を集めるためのフックツール」だと思われます。
(https://www.homes.co.jp/archive/b-5766760/ より引用)
上のグラフから、この建物のm2単価は2~3年で15%以上値上がりしていることがわかります。
もし営業者がこの建物を2~3年前に購入していれば、手元には15%の含み益がすでにあるわけで、本案件の6ヶ月年利20%(つまり、キャピタルゲイン10%)はこの含み益から支払うことができます。
不動産投資型クラウドファンディングに参入した開店セールのために、手元にあった含み益不動産を一つ放出して話題性を作るというのは、あり得るストーリーではないでしょうか。
*これは好意的な解釈なので、もちろん物件が何らかの訳ありという可能性もあります。ただその場合でも営業者の劣後出資30%は効いているので、元本が守られる可能性は高いと思われます。
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www.sallowsl.com
その他の高利回り営業者
以上、一つの解釈として「不動産投資型クラウドファンディングにおいては、本来考えにくい高利率も客寄せの手段としてはあり得る」という内容を説明しました。
CROWD BUILD意外にも、おそらく同様の理由で開店セールを行っている営業者を二つ紹介します。
①Victory Fund
1号ファンドは10.5%+最大1.5%上乗せで、最大12%という案件で募集された。
1号ファンドはすでに満額募集済だが、5月末までの会員登録で1,000円分のAmazonギフトが全員プレゼント。2号案件にも注目。
②WARASHIBE
社長交代により、不動産投資型クラウドファンディングの積極的な案件組成に舵を切った模様。
12%、3ヶ月という高金利・短期案件の抽選募集は6/4までなので、今からの投資家登録でも間に合うかも?