2023年が始まりましたので、初心に返って基本的な紹介記事を書いてみます。
今回はまず「クラウドファンディング投資って、結局どういうものなの?」という内容について。
<目次>
「クラウドファンディング」のおさらい
まず最初に、クラウドファンディングという言葉についてのおさらい。
クラウドファンディング(Crowd Funding)は、「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」を組み合わせた言葉で、つまり「群衆(=不特定多数)からの資金調達」を意味します。
資金調達の手法について明確な定義はありませんが、不特定多数との契約を結ぶ関係上、事務作業などの煩雑さを回避するためにインターネットを用いたオンライン調達が行われることが多いです。
ここまで簡単にまとめると、クラウドファンディングとは資金の調達手段を指す言葉であり、調達した資金の使途について言及するものではないということです。
単純に「クラウドファンディング」と言うと、CAMPFIRE、Makuake、ReadyForなどの購入型(応援型)クラウドファンディングを思いつく人が多いと思いますし、それもクラウドファンディングであることに間違いはありません。
ただクラウドファンディングの業界を俯瞰した時、金額ベースで大半を占めているのは私がメインとしている「投資型」のクラウドファンディングです。
投資型クラウドファンディングの類型
クラウドファンディングを大きく二つに分けると、「投資型」と「非投資型」に分かれます。
非投資型は寄付型、応援型、購入型のクラウドファンディングで、集めた資金で寄付を行ったり、資金の見返りとして何らかのサービスや財を提供したりするものです。
一方投資型クラウドファンディングもいくつかのタイプに分かれており、例えば ①融資型 ②不動産投資型 ③ファンド型 ④株式投資型 などがあります。
これらは投資する対象が異なっており、それぞれ以下のような対象となっています。また、一つの類型を扱う営業者は複数あり、口座は全て独立のものとなっているのが通常です。
①(主に担保などをとった)企業や個人への貸付に対する投資
②不動産を対象とする投資、直接の場合と間接の場合がある
③事業に対する投資
④ベンチャーやスタートアップなどの非上場株に対する投資
私が主に行っているのは①と②であり、①は間接的に資金を貸し付けて利息を得る投資、②は直接あるいは間接的に不動産へ投資して収益を得る投資です。
このように、一口でクラウドファンディングと言ってもサービスごとに内容は大きく異なっているため、クラウドファンディング投資という言葉の意味はかなり広く、投資商品の一種(例えば「投資信託の一部」)くらいの広さがあります。
クラウドファンディングに大部分の資金を投下している私が、その中で分散投資をしている限り投資対象の集中リスクはないと考えているのはこういった背景があります。
他の投資と比較した、クラウドファンディングの特徴
投資型クラウドファンディングという言葉の定義まで紹介したところで、次にクラウドファンディングの特徴です。
他の投資と比べると、クラウドファンディングの大きな特徴は
「表面上の値動きがない」(株式投資型のセカンダリーマーケットは除く)
という点にあります。
値動きがないため買方売方もなく、出資した案件は原則として途中解約ができません。
投資家同士がポジションの違いで対立関係にならないため、いわゆる買い(売り)煽りや嵌め込みといった事も起きず、知識や経験の差にかかわらず同じ案件に投資をすれば同じだけのリターンを得ることができます。
こういった事情があるので、「自分がクラウドファンディング投資を主力としている」という事実を背負って堂々と情報発信でき、私としてはこのような特徴がとても気に入っています。
またクラウドファンディングはどちらかと言えば値上がり(キャピタル)ではなく、配当(インカム)を中心とした投資です。
流動性が低いと言われる場合もありますが、クラウドファンディングに一定以上の金額を投資してるとほぼ毎月償還が行われますので、大きな視点で見た場合の流動性は決して悪くはありません(*)。
*例えば1000万円を分散投資し、案件の運用期間が平均1年だった場合、均して考えれば1カ月ごとに80万円強の償還が行わることになります。
「表面上の値動きのないインカム投資」という特徴のため、どんな投資もそうですがクラウドファンディングにも向く人・向かない人が存在します。それについては下記の記事でまとめました。
で、結局儲かるの?
ということでつらつらと特徴を書いていきましたが、どんな投資でも、なんなら投資でなくとも様々なビジネスでも結局のところ、質問というのはこれに帰結します。
「で、結局儲かるの?」
これについては嵌め込みや悪意がない前提なら、「どんな投資でもうまくやれば儲かる」と言うのが共通したファイナルアンサーです。
実際私の場合ですと、2022年12月末の時点でクラウドファンディングで発生した収益は税引後1,800万円くらいです。
(関連記事)
www.sallowsl.com
融資型クラウドファンディングの黎明期にはいくつかの問題が発生し、私も含めまだ解決していないのは事実。
しかし過去の問題を受けて改善すべきところは改善が行われ、また事業者の選別や淘汰が行われてきた現況に鑑みると、過去と現在のクラウドファンディング界隈を同列に並べて語るのは適切とは言えません。
もちろん私の贔屓目も入っているとは思いますが、現状クラウドファンディング投資は「大きく儲かるような投資ではないが、きちんと調べて投資していけば堅実なインカムが入ってくる投資」と言えると思います。
クラウドファンディングの展望
最後に、今後のクラウドファンディングの展望について考えてみます。
記事の最初でも書いた通り、クラウドファンディングというのは「お金を集める手段」であり、そのお金を何に使うかについては縛りがありません。ということは投資家と資金が集まるのなら、どんなサービスを展開するのかの自由度が高い仕組みと言えます。
資金が集まるところビジネスあり。クラウドファンディングによる資金集めは、金融系の事業者にとっては新たなサービスの選択肢であり、不動産系の事業者にとっては不動産ビジネスの展開につながり、借り手の企業にとっては銀行以外からの資金調達に役立ちます。
資金を集める目的、集めたい資金の規模、投資商品としてのスキームなどにより様々なクラウドファンディングを組成できることから、これまた贔屓目は入っていますが今後が楽しみなサービスだと考えています。
「クラウドファンディング」という言葉の意味は広すぎるので、その広い領域の中で何か不祥事が起これば言葉が一人歩きをすることもあるのは事実です。
もっともそれはクラウドファンディングに限らず、世の中たいていそんなもの。
私は2023年もクラウドファンディングガチ勢として、投資したり情報発信したり、時には事業者とコラボしたり楽しんでいきます。質問や相談があればお気軽に、またビジネスのお声がけもお待ちしております!