日経マネー&電子版登場を記念(?)して、クラウドファンディングの全般に関する記事を一つ。
「クラウドファンディング」という言葉の範囲をどう捉えたらいいか? ということについて、私なりの考えを書いてみます。
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<目次>
そもそも、クラウドファンディングって?
すでに投資されている方には釈迦に説法となりますが、そもそもクラウドファンディングとは何かについて。
クラウドファンディングというのは、「Crowd=群衆」と「Funding=資金調達」を組み合わせた言葉で
「不特定多数の出資者から、主にネットを介して資金を調達する」
という仕組みそのものを指します。そして一つ重要なことは、「その資金使途は問わない」という点です。
クラウドファンディングは「資金を集める仕組み」であり、「**型(購入型、融資型、不動産投資型など)」の部分によってその使途が異なります。
つまり類型が違えばまるっきり別物になるわけで、クラウドファンディングという言葉を用いて話をする際には、それが何型のクラウドファンディングなのかを明確にする必要があると思います。
投資型に限った話をすると
ここからは、投資型のクラウドファンディングに限った話をします。つまり、寄付型や購入型は除きます。
投資型のクラウドファンディングに限っても、その種類は様々です。投資対象という点で大別したとしても
・融資型クラウドファンディング(貸付金に対する投資)
・不動産投資型クラウドファンディング(不動産事業に対する投資)
・事業投資型クラウドファンディング(会社事業に対する投資)
・株式投資型クラウドファンディング(未上場株式に対する投資)
・船舶投資型クラウドファンディング(船舶事業に対する投資)
と、そのバラエティは豊かです。
なぜここまで様々な特徴をもった案件が出てくるのか、理由は簡単です。
クラウドファンディングはあくまでも「仕組み」であって、出資者と資金が集まるのであれば、どのようなサービス(≒投資案件)を仕組み上に乗せるかの自由度が高いからです。
おそらくこれからも、今までになかった投資案件がクラウドファンディングの仕組み上で登場してくるでしょう。
さらに細分化して考える
ここからはさらに細分化して、クラウドファンディングのうち不動産投資型に目を向けてみます。
単語の範囲を「不動産投資型クラウドファンディング」まで狭めても、世の中に多くの不動産があることから分かるように、投資対象は多岐に及びます。
不動産投資型クラウドファンディングにおいては、国内のレジデンス案件、オフィス案件、物流倉庫案件だけではなく、グループホーム案件もあります。
また一定のリスクはありますが、国内外の不動産開発案件や複雑な権利関係を整理して売却するという案件も登場しています。
多少大げさに言ってしまえば、クラウドファンディングではファンドとして組成する営業者がいる限り、世の中のあらゆる不動産案件をファンドとして扱うことができます。
また不動産の規模も、大型不動産から中古アパートまで様々なものを扱うキャパシティがあります。
そういった意味では、大型不動産をメインとしているREIT(上場不動産投資信託)よりも、不動産投資型クラウドファンディングが扱える範囲は広いと言えるでしょう。
(一方、流入資金の規模はREITがはるかに大きいのもまた事実です)
クラウドファンディングは投資信託と同じ?
初めに戻って、「クラウドファンディング」という言葉の範囲をどう捉えたらいいか? について。
私は投資型クラウドファンディングという言葉の範囲は、投資信託(上場投資信託を含む)と同様だと思っています。
投資信託では株、不動産、債券など様々なものに投資することができるように、クラウドファンディングも融資、不動産、未上場株式、事業など様々なものに投資することができます。
投資信託とクラファンの性質で大きく異なる点は、投資信託が主にセカンダリ取引(投資家同士の売買)であるのに対し、クラウドファンディングの多くはプライマリ取引(事業者から投資家が買う)であること。
そのためクラウドファンディングには、見た目の値動きがありません。この特徴はキャピタルゲインを狙う人には物足りないかもしれませんが、私のように値動きが苦手な人間にはありがたい特徴です。
*そういえば記事を書いていて気付きましたが、コモディティへ投資するクラファンはありません。出てきたら面白いと思いますが、やはりプライマリ取引では難しいのでしょうか。