不動産投資型クラウドファンディングの「WARASHIBE」(現COZUCHI)を運営する、株式会社SATAS(現LAETORI)にインタビューを行いました。
こちらは後編の記事です。前編はこちら。
<目次>
後編の内容
通常不動産投資型クラウドファンディングにおいては、優先劣後の仕組みで出資金が守られる一方、キャピタルゲインの配当は限定的な事が多い印象です。
にも関わらず、WARASHIBEではこれまで、年利50%超という案件が複数出ています。
優先劣後の仕組みがありながら、大幅なキャピタルゲインも見込まれる背景を尋ねることは、今後私が本格的な投資を検討する上で必須だと考えていましたので、今回のインタビューは良い機会でした。
WARASHIBEの仕組みそのものへの疑問
Q:劣後出資により、損は営業者側が先に引き受ける。なのにキャピタルによる得は投資家と分け合う。この仕組みはメリットとデメリットが少し歪に感じますが、どんな意図がありますか?
A:投資家の裾野を広げ、投資文化を普通のものにしたいからです。そのためには、より安心安全な仕組みの構築と、より高いリターンが見込める商品設計が最重要と考えております。
優先出資は出資金が一部保護されている一方で、リターンも限定的であり、リスクリターンの考えに基づくと合理的です。しかし劣後割合で保全はされているものの、元本が棄損するリスクはゼロではなく、リターンが常に限定的なのはフェアなのか? を議論しました。
結果として一定のリスクがある以上、想定以上の利益は投資家と分かち合うのがフェアだという考えに達しました。
GFA社との提携&提携解除について
Q:株式会社SATASは2020年10月、GFA株式会社と業務資本提携を行い、2021年の6月に提携を解除していますが、その背景を教えて下さい。
A:まず一般論として、不動産事業者の間は横のつながりによる提携、協力関係は良く行われています。GFA社様と当社の間でも、そういった事情により不動産物件を供給するパイプライン契約を締結いたしました。
ただ実際に定型業務を進めていく中で、中古住宅のリフォーム再販事業に注力していくGFA様と、クラウドファンディングを重点として取り上げていく当社との違いが鮮明になったため、シナジー効果を生むことは難しいという結論に達し、両者合意の上で提携を解除する運びとなりました。
今後の抱負
Q:今後の取り組みに対する方針など、新規投資家・既存投資家に一言お願いします。
A:不動産という裏付け資産のある投資対象で様々な商品を提供し、いずれは銀行預金のように安全性の高い商品から10%の配当が見込めるような商品まで、様々な投資家様が投資したくなる商品体制にしてまいります。
具体的には来期ファンド総額80億、再来期はファンド総額180億を目指します。月2〜3本のファンド組成を行い、可能な限り投資機会を増やして参ります。
システムやWebサイトのリニューアルも予定しています。まずはeKYCの導入で投資家登録後にすぐ投資できる環境作り。デポジット口座や毎月配当も準備中です。
今後の構想はセカンダリーマーケットを作り、現在の解約のように売りたい人と買いたい人がマッチングできるようなことも目指しています。是非今後ともWARASHIBEを宜しくお願い致します。ご期待ください!
全体のまとめ
【後編のまとめ】
・優先劣後方式でありながらキャピタルゲインがある仕組みは、リスクリターンの合理性よりも投資家との関係性を重視したため
・GFA社との提携解除は、お互いのビジネスの方向性が変化した事によるもの
・今後の案件拡大、セカンダリーの展望
一番聞きたかったリスクとリターンのアンバランスさについては、なるほどという印象でした。
「何がフェアか」を論じる際には基底となる考えが必要で、その考えが異なればフェアの物差しも変わるというわけで、どちらが正しい・間違っているという論ではないと解釈しました。
事業者が未上場という財務面の弱さは若干ありますが、それに鑑みても案件は魅力的なので、今後は投資金額を増やしていく方針です。
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