私は2021年にそれまで20年ほど勤めていた会社を辞め、いわゆるFIRE生活に入りました。
そこからはや3年が経過したわけですが、FIREの後の投資マインドはFIRE前の想定とは少し違っていました。あくまでも私の例ですが、今の投資マインドや方針を文字にしてみます。
<目次>
想定と違ったこと
勤め人が勤めている会社を辞めるということは、会社における肩書きや人間関係を喪失することと同時に、定期的な収入を失うことを意味します。
(最近はアルムナイ採用を積極的に行っている企業もあり、辞めたらそれで終わりで後戻りできないというケースばかりでもないようですが)
定期的な収入を失った場合、一般的に投資のポートフォリオは保守的になることが多く、実際に私も資産構築段階においては「FIRE後は保守的にならざるを得ないだろう」と考えていました。
ですが、実際は違いました。
全財産の90%以上を投資につぎ込む状態は、退職後でも続いています。
なぜなんだろうと考えてみると、思いついたのはFIREを達成したことによるささやかな自信の獲得です。
その自信に確固たる根拠があるわけではないのですが、FIREを達成する前と比べると「ゆーて何とかなるでしょ?」という思いは強くなりましたし、実際にFIREしてからも資産は増え続けていることを考えると自信は幻ではなかったようです。
フルインベストメントを続ける、もう一つの理由
私が資産の大部分を投資につぎ込むもう一つの理由は、クラウドファンディング投資の性質です。
クラウドファンディングのリターンは大まかに言って、「投資金額×平均利率」に比例します(実際はキャピタルゲインが発生する場合もあるので、あくまでも大まかですが)。
そのため高いリターンを狙おうとするのなら、償還された金額を可能な限り再投資することが重要です。その際にはもちろんファンドの詳細も確認しますが、私の場合は投資対象が十分に分散していることを重要視しています。
なぜなら後述の通り投資において損失は回避不能であること、また現在のファンドのデフォルト率を1~2%程度と見積もった場合、積極的投資による損失よりも投資しないことによる機会損失の方が大きいと考えられるためです。
リターン3%デフォルト0.1%よりも、リターン5%デフォルト1%を選ぶ。簡単に言えばそれだけのことです。デフォルトしたらしたで、それは記事ネタになりますし。
またクラウドファンディングは一般的に運用期間が1年前後と短く、多くのファンドに投資している場合は資金拘束期間をそこまで気にする必要がありません。なぜなら十分に分散投資を行った場合、1億円の資金を平均1年で運用すれば毎月800万円ほどの元本償還が行われるからです。
つまり再投資をしなければ勝手に現金比率が増えることになり、手元現金をどのくらい持つかのコントロールがしやすいという特徴もあります。
損は「するもの」
私は最初からクラウドファンディング投資をやってきたわけではなく(そもそも、私が投資を始めた20数年前にクラファンは存在してませんでした)、これまで様々な投資をかじってきました。
私が投資を始めた頃は今ほど投資の情報が簡単に手に入る時代ではなく、インデックス投資という考え方も決して一般的なものではありませんでしたし、オール・カントリーや外国株に至ってはなおのこと。そう考えると現在は本当に良い時代になったものです(トオイメ
私がかじってきたのは日本の個別株や投資信託、FXやコモディティ。トレードを行う中で損失も様々出しましたし、一方で大勝ちしたことも一度くらいはあります。
そんな中で私が考えることは、投資を始めた以上損失は回避するものではないということです。いや別に回避しようとする試みは構わないのですが、どうせいずれ地雷踏みますから。
投資において「損失を回避することを最重要にする」という意見が散見されますが、私は今までの背景からこういった意見には否定的です。損は何をしようが発生するものであり、回避ではなくダメージコントロールするものです。
黒ウサギ+都々逸風に言えば、「損失回避が金科なら 投資なんざあ辞めちまえ」ってね。
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まとめ:今の投資方針
当初はFIREしたら投資マインドが保守的になり、投資方針もそれに伴って変化するものだと想定していたのですが、実際のところは何も変わっていません。
クラウドファンディング投資を続けて10年以上、その間には損失も経験してきましたし先日も180万円ほど炸裂しましたが、わたしはげんきです。いや冗談では無く今でもクラファン投資続けてますんで本当に元気です(笑)。
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記事を書いている途中で思いついたことですが、今後はこのような「後日談」のコンテンツが増えて欲しいなと考えました。
投資手法や資産運用についてのコンテンツは数多くありますが、ぽっかりと抜けているのは「その後」。資産運用をした結果FIREする人は今後増えてくるはずで、それなら「その後」のコンテンツの価値も増えてくるでしょう。
(もっともFIRE後は情報発信をしなくなるケースも多いので、現実にはなかなか難しいのかもしれませんが)
4%ルールによる取り崩し、高配当によるインカム、あるいはそれ以外の方法であっても、自分で実際に体験していないことを理論と合理だけで語っても質の低いコンテンツしか生まれません。「取り崩しは簡単」と口で言ったところで、そんなものは「個別株で利益出すのは簡単」と同価値です。
まずは数年でもやってみて、想定通りだったこと、想定とは違っていたことを発信するようなコンテンツを読んでみたいと思います。ちなみにクラファンは私にとても合ってますが、万人受けはしないと宣言します(笑)。